108:算学その2(金重明)(陶酔人)090810

カテゴリー │本・歴史・人物・・

前作「算学武芸帳」についで、「戊辰算学戦記(朝日新聞社)」を図書館で借りて読みました。
 108:算学その2(金重明)(陶酔人)090810
算学と戊辰戦争とを並ばせて描いていて、盛りだくさんの歴史小説でした。

ついでに、吉田光由の「塵劫記(岩波文庫)」も借りて表・絵だけを拾い読みしましたが、この絵だけで昔の数学の問題を思い出しますね。江戸時代の数学の入門書だそうです。
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 江戸時代の数学の入門書だそうです。

陶酔人

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前作「算学武芸帳」での主人公の求道者のような姿勢に引かれたり、江戸時代の和算に感動したりして、金重明の次作を読みました。前作「算学武芸帳」で朝日文学賞をもらった直後の受賞第一作です。受賞第一作ってのは作家にとってかなりのプレッシャーだと以前読んだことがあります。そのプレッシャーに打ち勝とうとしているようなタッチがそこかしこで散見されました。

前作は江戸時代で、今回は幕末~明治初頭で、「天地人」の舞台の越後での戊辰戦争の一端です。「坂の上の雲」での203高地での乃木将軍の無謀な突撃と酷似している事実があったようで、「坂の上の雲」のパロディなのか事実なのか断定はできませんが、面白く深く読みました。

指揮官が「頑迷」だと部下が困惑するだけでなく、士気が上がらない、結果成果につなげられないという箇所を読むにつれ、いつの時代でも同じものだなあと思ったものでした。

ラグランジェ方程式・虚数・・と毎度難しい数学の言葉が飛び交いますが、作者はよほど数学に強いのでしょう。それでも数学のことばは分からなくても十分に楽しめる文体になっています。

陶酔人




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