606:カミュの「ペスト」

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コロナ禍が日本人全体の努力のかいあって日本では小康状態にありますが、アメリカ・ブラジル・ロシでの傾向はとどまりません。そんな中で、スペインかぜ・コレラ・ペストなどの情報を探していました。そしたらカミュの「ペスト」の本に行き当たりました。
学生時代にカミュの「異邦人」を読んで「なじめなかった」記憶があるのですが、数10年の時を経て、この時期だからと読むことにしました。
 606:カミュの「ペスト」
 この写真は新潮文庫の表紙です。
 606:カミュの「ペスト」
wikiからのオランの眺望です。

小説の舞台は194*年のアルジェリアのオランで、1947年の出版です。194*年はまさに第二次世界大戦の末期前後ですね。そのあたりでペストが流行したとの表記はありませんので、少し意味深長です。というもの本のカバー末尾に「・・ナチス闘争での体験を寓意的に書き込み・・・」との書き込みもあったりしますので。

導入でオランのペスト流行の直前の状況を描きながら、50ページあたりでは、ペスト歴史全体で1億人が亡くなったとの表記も目に留まります。

一つ一つの文章を読んでいると、頭の中ではコロナ禍をついつい連想しています。人々の考え方・行動、医療従事者の考え方・行動も酷似しています。為政者の出番はあまりありませんが、交通遮断・特別病室への隔離など同じ感じです。ですので文学作品として冷静に読むことができなかったのです。

末尾には「・・・ペスト菌は決して死ぬことも消滅することもないものであり、数十年の間、家具や下着類のなかに眠りつつ生存することができ・・・おそらくいつか・・・人間に・・・教訓をもたらすために・・・」とまたまた意味深なことばで締めくくっています。

どうもカミュの写真はどれもこれも煙草を吸っている写真なのですが、この写真だけが煙草と分かりにくい写真なので転載しました。
 606:カミュの「ペスト」
ウィキのカミュからの転載です。

興味を持った方は、下の「続きを読む」をクリックしてください。メモの続きを載せました。

    人間というものは、チャンネルを変えて考えるのが難しいものだと思う陶酔人


表紙の写真は、たぶん小説の舞台であるオランの町・建物なんでしょう。建物は茶色で日干し煉瓦の感じですね。

オランの地図
アルジェリアのオランは首都アルジェの西500Kmぐらいの位置にあるようです。カミュはアルジェから東に500Kmぐらいの誕生します。

日干し煉瓦には少し興味があり、ネット検索情報を転載します。
 606:カミュの「ペスト」
この日干し煉瓦を作っている写真は、ネットの画像からのものですが、ブログの元が閉鎖されてしまったでの出典元を提示できません。

 帝国書院の日干し煉瓦の紹介ページ
帝国書院に日干し煉瓦の紹介ページがありました。

佐々岡建設の日干し煉瓦つくりのHP

アルジェには仕事の関係で一泊しましたし、日干し煉瓦は毎日見ていた関係で、軽く見過ごすことはできないのです。

題名から「史実をもとにした小説ではないかとの先入観」を持ちながら読み出しましたが、全然違いました。個々にはルポルタージュの要素もありますが、小説としてある特定な部分にスポットを当てていました。

学生時代に、「原語では読めない」ことから「訳文で読んでいた」こともあり、訳文特有の言い回しがどうも性に合わず、外国の小説には縁遠くなってきました。
その性に合わない文体は今読んでも同じでした。苦労して読了はしましたが、カミュの思いを分かったとは言えません。途中から文体は変わるし、その変わる意味が分からないし、それを読み返し理解しようとまでの気は起こらなかったのです。
(日本の作家の文章ですと、理解できない部分は読み返して意味を探る努力をするのですが、訳文ではその気になりません)

まだまだ書きたいのですが、後日に譲ります。


ペスト

コレラ

スペインかぜ




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