2010年02月12日00:51
沖縄その4では「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」(角川文庫)を取り上げます。
著者の仲宗根政善氏は、ひめゆり学徒の教師で、学徒を那覇から島南端まで引率しました。そして殆どの学徒を死なせたこと・自身が生き延びたことを悔いて、事実を風化させないために書き残すことだけが懺悔になるとこの書をまとめました。内容は、氏の手記+16人の学徒の手記を中心に載せています。後年映像・小説などで美化されたことと違い、学徒を中心に兵士・医療従事者・民間人が爆弾や傷病で死傷する事実を克明に載せています。氏も書いていますが、ダブった表記や前後した表記も少なくないので読み進めるには困難が伴います。
表記もオブラートで包むことがないこともあり、その凄惨さはここに書くにはためらいがあります。
軽い表記だけを載せれば、
36時間・・・食事の時間もなく・・やっとおにぎりにありついたときには、
もう飯が腐っていた・・・
靴下に入れてあったお米を、着剣した日本兵に盗られてしまった・・・
どうせ死ぬんだから破傷風になって一秒でも早く死んだほうがいいと、
わざと傷をぬらし・・・
もっと凄惨な表記は、とてもここには載せられません。各自でお読みください。
こうすることで、沖縄の事実を再発させてはいけない、そうなったら、彼ら彼女らの死は犬死になると訴えています。
氏は軍の行動への疑問視を時折載せていますが、殆どは手記をベースに事実を淡々と載せています。そのことで、かえってこの訴えが浮かび上がってきています。
さて、沖縄はその4で中締めとしまして、次回はドイツが過去を乗り越えたと言われる「名演説」を紹介します。
やや真摯な心境の陶酔人
147:沖縄その4「ひめゆりの塔・・の手記」(陶酔人)100211≫
カテゴリー │本・歴史・人物・・
沖縄その4では「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」(角川文庫)を取り上げます。
著者の仲宗根政善氏は、ひめゆり学徒の教師で、学徒を那覇から島南端まで引率しました。そして殆どの学徒を死なせたこと・自身が生き延びたことを悔いて、事実を風化させないために書き残すことだけが懺悔になるとこの書をまとめました。内容は、氏の手記+16人の学徒の手記を中心に載せています。後年映像・小説などで美化されたことと違い、学徒を中心に兵士・医療従事者・民間人が爆弾や傷病で死傷する事実を克明に載せています。氏も書いていますが、ダブった表記や前後した表記も少なくないので読み進めるには困難が伴います。
表記もオブラートで包むことがないこともあり、その凄惨さはここに書くにはためらいがあります。
軽い表記だけを載せれば、
36時間・・・食事の時間もなく・・やっとおにぎりにありついたときには、
もう飯が腐っていた・・・
靴下に入れてあったお米を、着剣した日本兵に盗られてしまった・・・
どうせ死ぬんだから破傷風になって一秒でも早く死んだほうがいいと、
わざと傷をぬらし・・・
もっと凄惨な表記は、とてもここには載せられません。各自でお読みください。
こうすることで、沖縄の事実を再発させてはいけない、そうなったら、彼ら彼女らの死は犬死になると訴えています。
氏は軍の行動への疑問視を時折載せていますが、殆どは手記をベースに事実を淡々と載せています。そのことで、かえってこの訴えが浮かび上がってきています。
さて、沖縄はその4で中締めとしまして、次回はドイツが過去を乗り越えたと言われる「名演説」を紹介します。
やや真摯な心境の陶酔人