800:奥大井湖上駅 その2

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記事799に引き続きまして「奥大井湖上駅 その2」です。

いよいよ駅を出発しますと、2つ目の長島ダム駅での停車もなかなか長いと思っていますと、
 
客車なしの1台の機関車が来ました。なんだろうと思っていますと、どうやらこれから急坂を下るので普通の車輪ではすべってしまうようです。
 
 この写真は駅に隣接したSL資料館の展示を撮ったものです。
この「アプト式機関車」のギヤ(ラックホイールピニオン)が線路に埋め込まれたラックレールとかみ合いながらゆっくりゆっくりとくだっていきます。登山電車のようで雰囲気ありました。
 

 
これが長島ダムの放水側です。このダムのおかげでダム湖ができて、湖上駅へとつながります。

「長島ダム」駅の次は
 
「アプトいちしろ」駅です。
 
「長島ダム」と「アプトいちしろ」の間は1000mで90m登る(下る)という日本一の急勾配なんだそうです。

ここでも観光用に10分から15分停車します。観光客はゆったりと写真撮影をしました。
 
この駅でアプト式機関車を切り離します。車掌さんは沿線は無人駅ばかりなので切符を切ったり、手動ドアの開け閉めをしたり、連結の切り離し作業までしていて大忙しでした。

思うに長島ダムができる前はもっと低い道を通っていたのですが、ダム湖ができ従来の線路が埋没してしまい、それを逆手にとり観光用にとアプト式機関車を設置して、ついでに地形を利用した湖上駅を作ったようです。湖上駅はまさに観光だけの駅なんですね!しかもアプト式機関車・レールが見られる鉄道ファン垂涎の駅まであるんですね。タモリならずとも子供のようにはしゃぎまわっていた陶酔人でした。

 
帰路の途中で家山の桜トンネル付近での川沿いの葉桜です。

その家山駅付近を歩いていると面白いものに遭遇しました。
 
工事トラックが線路を横断するかと思っていたら線路の上で90度回転して線路の上に鎮座しました。
よく見るとタイヤが設置していなくて、車輪がニョッキと床面から伸びてきて線路に乗っかっていました。


レールを走るトラック?まさか「ドクタートラック?」でしょうか?
どうも推察するに線路の上に覆いかぶさるように伸びた木の枝を伐採する特殊トラックではないでしょうか?

ここまで書いてきて、ネット検索したところこういった車両は「軌陸車」というんだそうです。レール(軌道)を走る車の意味でしょう。
wikiによりますと「軌陸車」の説明が書いてありました。
 軌陸車

ブログのネトラボにこんな記事が載っています。
 ネトラボの軌陸車の記事

ワイ・エンジニアリングという会社では軌陸車を作っています!
 ワイ・エンジニアリングの軌陸車


大井川鉄道公式HPの各リンク

アプト式列車

大井川鉄道DD20形ディーゼル機関車

下の散策ガイドは面白い!
散策ガイド

下のNHK静岡の記事も面白い!
NHK静岡-静岡WEB特集の記事

    今回ははしゃぎすぎた陶酔人





 

799:奥大井湖上駅 その1

カテゴリー │探訪・旅行・行楽

前から行きたいと思っていたのですが、ブラタモリで「奥大井湖上駅」の映像(再放送?)が流れまして、ついつい衝動的に行ってきました。
 
 この路線図は大井川鉄道のHPからの転載です。

 
 ↑上の写真をクリックすると拡大します。
 
大井川鉄道は2年前の台風被害で全線開通が未だできていません。現在は「金谷~川根温泉笹間渡」と「千頭駅~接岨峡温泉」間で折返し運転されています。そのため大井川鉄道を利用しようと思っていましたが車ででかけました。

千頭駅に着きますと、湖上駅全貌が見える地点(湖上入口)までのバス停がありました。
 
なんと1日1本しかありません。どういうこと(?)と思いつつ同行の方々と乗り込みます。

その湖上入口のバス停で降りました。そこで見たのが
 
この景色です。まさに絶景でした。

鉄道で湖上駅に降りると湖上駅全体が俯瞰できません。
記憶ですがタモリは湖上駅から駅全体が見えるこの場所まで急坂を上ったんだと思います。

ただ、1日1本しかないバスをわざわざ乗っていくんですからこのバス停で機関車が到着するところが見られるはずなんです。
しばしとどまりましたが機関車きません。しかたなく眼下の湖上駅に向かいました。
 
こんな階段をいくつか降りないと駅に着きません。この階段を再度登って機関車の到着を見る体力はありませんでした。
機関車で来て、湖上駅を上から見ようと下段を上ってきた方々ははーはーぜいぜいしていました。

どうやらバスが遅れたか、その日の機関車の時間割が変わったとしか思えません・・・

 
 
 ↑上の写真をクリックすると拡大します
階段の途中で線路を見ますと、線路上に人がいます?!
 
と思ったら線路脇に人が通れる通路があったんです。
 
湖上駅のホームには乗客・観光客がいっぱいいました。
 
30分ほど待ちますと待望の機関車がきました。これに乗るのでなく次の機関車に乗ることにしました。
 
 
この機関車を見送ると1時間は次の機関車が来ません。のんびりと待ちます。

 
この写真はHatena Blogの時刻表 奥大井湖上駅 ブログ写真からの転載です。

 
30分ほどで「接岨峡温泉」に向かう機関車が来ました。本来ですと「井川」まで行くのですが、台風被害がらみで隣の「接岨峡温泉」までしか行きません。

 
さらに30分ほど待ちますといよいよ乗る機関車がきました。

機関車が来ているのになんでそんなに写真なんか撮ってゆっくりしていられるかといいますと、観光用に作った駅ということもあり観光客のためにゆったりと停車しています。10分~15分ほどでしょうか。なんかいい感じでした。

    今回は記事が長いので2回に分けた陶酔人

    次の記事800は「その2」です。





 

798:タピアンの現状

カテゴリー │自然

記事745記事750でタピアンの増殖を期すと書いてきまして、現状の増殖具合を紹介します。
 
  
当初写真にある鉢に植えたものの枝が伸びて地面に届き、
その枝に重しをつけておくとそこから根が出てきます。
買い足した部分もありますが、その繁殖力の強さに感動しています。
このタピアンがドクダミに勝ってくれることを期待しています。

  相変わらず小花が好きな陶酔人



タグ :タピアン


 

797:第55回東海伝統工芸展

カテゴリー │陶芸

記事751で予告した第55回東海伝統工芸展(愛知県美術館8Fギャラリー)に行ってきました。

以下の写真は基本図録からの転載です。
 
今回の陶酔人の一押しは名古屋市長賞の古田一さんの蒔絵合子「蝙蝠」です。
図録には上蓋の写真が紹介されています。上蓋の「月下美人」と「蝙蝠」の作品名との関係が分からず眺めていたら、ラッキーなことにちょうど古田一さんがおられまして、作品の上蓋を開いて中を見せていただきました。上蓋の内側には
 
 
びっしりと蝙蝠が乱舞しています。上と下の写真だけは陶酔人の写真です。
 
本体内側にも蝙蝠が描かれています。
図録では明らかになりませんが、「開けてびっくり」ですね。すっかりファンになりました。

 
愛知県知事賞の小形こず恵さんの「染付鉢「酔芙蓉」」です。造形と染付の調和に毎年しびれています。

 
岐阜県知事賞の伊藤雄志さんの「練込大鉢」です。なんとも大胆な構図ですね。


49.0×49.0×15.0
図録からのスキャナー写真がうまくいかず、展示会場での友人の写真を借用しました。

陶酔人の「彩華釉鉢」は課題が多い作品になりましたが、なんとか入選できました。

4月29日(月)まで愛知県美術館(名古屋市東区東桜一丁目13番2号)ギャラリー8階G室で開催されています。
 
   課題を克服するべく次の仕込みに入っている陶酔人





 

796:フラワーパークの桜

カテゴリー │自然探訪・旅行・行楽

4月7日の記事796に引き続きまして、桜情報です。
一昨日の風で桜は飛び散ってしまったようですが、花博のチケットがあり4月11日にフラワーパークで桜を見てきました。
ソメイヨシノはほぼ散っていましたが、思いのほか八重桜があちこちで咲き誇っていました。

 

フラワーパークでのテーマはチューリップとのコラボのようでした。
 
チューリップはそろそろ終わりの感じでしたがそれでも手入れが素晴らしく桜との色の対比が見事でした。
 

 
「紅枝垂れ」という品種の枝垂れ桜とチューリップがいい風情でした。
 

 
 
 ↑上の写真をクリックすると拡大します。
この八重桜は「市原虎の尾」という品種だそうです。なかなかのネーミングですね。

他にも「普賢象」「有明」などいろいろな八重桜が咲き誇っていました。
桜は「ソメイヨシノ」の散り際が好きなのですが、散ってしまった後は「八重桜が楽しめる」ことを初めて体験しました。

ボタニカの枝垂れ桜の紹介記事

   何事も足を運ばないことには始まらないと思った陶酔人






 

795:太田川桜堤の”千本桜”

カテゴリー │探訪・旅行・行楽

記事794で本興寺の桜が見られなかったこともあり、
太田川桜堤の”千本桜”を見てきました。
ネットでは見ていたのですが、半信半疑で出かけました。
 
 


駐車場から少し歩くと太田川の堤に桜が延々と続きます。
 


桜並木の北端には上の看板がありました。少々古いので読みにくいのですが2Kmの堤に1000本ほどの桜が植えられていると書いてあります。数えたわけではありませんが確かに1000本ほどはあると思いました。写真を撮る際には人が途切れた瞬間を狙いました。
堤は常には自動車も通れるようですが、昨日(4月6日)・本日(4月7日)の二日間は車通行止めとなっていました。

下のトラベルJpのリンクには詳細の紹介写真が載っています
トラベルJpの太田川桜堤の紹介ページ

静岡県の太田川桜堤の紹介ページ


    袋井の千本桜に結構酔いしれた陶酔人





 

794:本興寺(湖西市)での窯変天目

カテゴリー │陶芸探訪・旅行・行楽

中日新聞の紹介記事に誘われて本興寺大平修さん窯変天目茶碗でお茶をいただきました。
 
大平修さんは国宝の窯変天目茶碗に心を奪われ20年の歳月を経てその復元に取り組んできたようです。

 
本興寺ではその窯変天目茶碗でのお花見茶会が開かれました。先着100名という新聞記事に誘われて皆さん集まっていました。

本興寺は桜の名所でも有名ですが、残念ながら3月31日時点では咲いていませんでした。
 
かろうじて一本咲いていた桜です。

 
 この写真はハマラボ(浜松研究所)からの転載です

上記リンクでは、本興寺の全体像(寺・庭・書院が網羅されています。書院には谷文晁の絵・源氏物語の書写の展示・小堀遠州の庭もあり必見です。

樹齢600年とも推定される二本杉の奥に佇む藁ぶきの本堂の雰囲気が素敵ですね。

以下に中日新聞に載った記事を添付します。
 
 
 上の写真は中日新聞 大平修さんの窯変天目の紹介記事(240106)です

 
 
 上の写真は中日新聞 大平修さんの窯変天目の紹介記事(240328)です

 
 
 上の写真は中日新聞 大平修さんの窯変天目の紹介記事(240403)です

以下は本興寺のHPです。
本興寺(湖西市)HP

日本でも中国でも幾多の方々が窯変天目に挑戦してきたし、挑戦しています。なかでも親子二代で挑戦し続けている長江惣吉さんが著名です。二代にわたる挑戦はテレビでも少なからず取り上げられています。林恭助さんの作品も「炎芸術」に掲載されました。

以下の記事には上のことも含めて窯変天目茶碗の全体像が分かりやすく紹介されています。
 曜変天目茶碗を再現!長江惣吉が作ったレプリカの値段や作り方とは?

このリンクはCherishのHPの一部に載っています。

   日々の精進が大切だとあらためて思う陶酔人





 

793:「天涯の海」(車浮代)

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中日新聞の紹介記事に触発されて、「天涯の海」(車浮代 潮文庫)を読みました。
 
表紙を飾る浮世絵は昇亭北寿の「東都佃島之景」です。

舞台は知多半島の半田村(現半田市)の酢屋三代の物語です。酒粕から酢を作ることを発案して、それが美味なることから江戸前鮨を産んだ主要因となったとも書かれています。

この本は「味ぽん」で有名なミツカンの創業期三代(江戸時代後期)の物語です。作家の車浮世さんはミツカンで創業時のことを知り、この物語を発想したようです。

文章は滑らかで起伏に富み一気に読み進められます。
主役の三代の当主もさることながら、この本ではその妻たちにも焦点が当たっています。

ミツカンの歴史

    次へ次へと読み進んだ陶酔人





 

792:「舟を編む」読了

カテゴリー │本・歴史・人物・・

「舟を編む」(光文社文庫)を読了しました。2012年本屋大賞を受賞した作品の文庫版です。
 

元来ヒット作品を避ける傾向の陶酔人ですが、「映画」「テレビ放送」の情報が目に入りついつい読んでしまいました。まずは「舟を編む」という題名がしゃれているではありませんか。辞書の編纂がテーマであることは脇情報で知っていましたが、読み始めて、即心を奪われました。

物語の進捗を補うように辞書を作ることの全体像がつまびらかにされていきます。作者三浦しおんは辞書編纂者ではなかったかと思うほどの入れ込みかたです。「採用語の取捨選択」「説明文のまとめ方」等は無論ながら「紙の選択」「抄紙機」などの製本過程の表記も詳しいのです。

辞書作りに15年の歳月をかけたの表記には多分実際の辞書も同様だろうと思われ圧倒されます。

以下ランダムに感想を記します。

仏典を中国語化した玄奘三蔵、青の洞門を掘った禅海和尚を例にとり、「・・どんなに少しずつでも進み続ければ、いつかは光が見える・・」との表記にある感慨を思い浮かべます。

「・・・死者とのつながり、まだ生まれ来ぬものたちとつながるために、ひとは言葉を生み出した・・・」の表記にも心打たれます。

辞書監修者の廊下や階段は「・・ひと一人がようやく通れる程のスペースしか残されていなかった・・・」の表記には親近感を持ちます。

「舟を編む」の舟は言葉を選ぶノアの箱舟でしょうか。

先輩からいただいた昭和40年印刷の岩波書店の広辞苑を持ち出しますと「広辞苑」の背表紙には「新村出編 広辞苑」と銀色のタイトルが刻印されていました。
この広辞苑は二千三百五十九頁(当時)でして、二千九百数十頁の「舟を編む」は広辞苑を意識しているのは当然のことでしょう。

文庫本の特典として「馬締の恋文 全文公開」が巻末に載っています。
恋文に挿入されている漢詩は難解で下段に注釈が載っていても判読できません。判読できなくても楽しめます。

  次々に次ぐを読めと積ん読の本に声をかけられている陶酔人