195:「名ごりの夢」読了(陶酔人)101220

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記事189の「逝きし世の面影」の関連で「名ごりの夢」(今泉みね:平凡社)を読みました。
 195:「名ごりの夢」読了(陶酔人)101220
著者「今泉みね」のウィキペディア表記はこれです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8A%E6%B3%89%E3%81%BF%E3%81%AD
 195:「名ごりの夢」読了(陶酔人)101220
父親は将軍の主治医で、叔父は咸臨丸船長(奉行)です。勝海舟は船将(ナンバー2なれど実質ナンバー1かも)だったようです。ついでですが、なんと咸臨丸の乗組員名簿がこちらから見られます。
http://www.kanrin-maru.org/kanrin/1860_crew/crew_list_for_usa.html
夫の今泉利春は、明治初頭江藤新平・大隈重信・副島種臣らと親交があったようです。高邁なる精神・先進性から、明治政府から疎まれた江藤新平との交流があったことに驚きました。福沢諭吉などは端役で出てきます。
名家のお嬢様なので、天真爛漫に育てられ、80才の時に息子から頼まれて自身の回顧(息子夫婦の口述筆記)をしたようです。その話は明晰かつ機知に富み徳川末期~明治初頭の歴史的人物がそこかしこに登場して、しかもそれらが全く日常的なこととして書かれている(話されている)のです。動乱の渦中にありながら、茶目っ気ありつつ品の良さにも溢れていて、歴史の一断面をつぶさに見るようで、終始わくわくして読みました。なにより文章が平易なのが良いですね。
80才の方が、子供時代(徳川末期~明治初頭)を昨日のことのように覚えていることには頭が下がります。

本書は廃版の憂き身を受ける寸前に平凡社が「東洋文庫」に加え出版してくれたことから、今回読むことができました。こういう出版社の心意気ってのがうれしいですね。

歴史秘話が好きな陶酔人



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