731:江戸時代の番付 その3

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記事158で石川英輔さんの「大江戸番付づくし」、 記事159で江戸時代の番付を紹介してきました。
今回はその3として、「番付で読む江戸時代(林英夫・青木美智男 柏書房)」の紹介です。
以下の写真はこの本からの転載です。
 731:江戸時代の番付 その3

 731:江戸時代の番付 その3
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最初の番付は安政6年の「錦絵土俵入り相撲番付」です。名前でなくお相撲さんの絵入りなのがおしゃれな番付です。

 731:江戸時代の番付 その3
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次は凧上げの絵なんですが、拡大してみると、「酒・米・豆・・・」などのほかに「やちん」などの表記も見られます。しかもこの番付の題名が「時世のぼり凧(いか)」なんですね。幕末に諸物価が軒並み高騰して嘆いている番付で、凧と書いてイカとルビがふってあります。これは風刺画の分野に入るらしく「長州征伐」の時の狂乱物価の際に「武具」「馬具」の凧(イカ)が左端一番高い位置に上っています。
 
 731:江戸時代の番付 その3
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次は、天保時代の「諸国産物大数望」で、前頭三枚目に「オワリ(尾張)の瀬戸焼」、十六枚目に「スルガのミカン」がラインクインしています。
中央の行事の下段の差添人に「佐渡銅山」とあり、天保時代は金・銀ではなく銅が主産物だったんでしょうか?

 731:江戸時代の番付 その3
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最後に紹介するのは、「馬鹿の番附」です。「馬鹿」とはあまり良い表現ではありませんが、内容が面白いので紹介します。東の大関が「米穀を喰わずしてパンを好む日本の人」、前頭三枚目の「国産の絹木綿を捨て舶来の衣服を喜ぶ人」、西の前頭四枚目「国産の酒を捨てビールサンパンを呑む人」なんて、文明開化当時の風景が浮かびますね。

残念ながら大型本なのでとても買えません。図書館で楽しみます。

長くなりましたので、以下は「続きを読む」をクリックしてください。


先日ブラタモリだと思うのですが江戸時代の名物(?)の番付表を見る場面があり、その番付の中に「浜松」の表記を見付け興味を持ちましたが、番付名・番組の取材場所を失念してしまい残念に思っていました。しかたなく図書館で大物図書を閲覧して探しましたが目的の番付表は見つかりませんでした。
それで今回紹介する本に出会ったのです。

「時世のぼり凧(いか)」を紹介する際に「武具」「馬具」の凧があると書きましたが、ふと次を連想しました。

つい口づさむ早口言葉「ぶぐばぐぶぐばぐみぶぐばぐ・・・」がありますね。早口言葉の「ぶぐばぐ・・」は歌舞伎の「外郎売り」の中での長台詞「・・・武具馬具武具馬具三武具馬具合わせて武具馬具六武具馬具・・・」からの転用のようですが、このセリフが現代まで続いているってのがうれしいじゃありませんか!

NHKは「どうする家康」を必死で宣伝しているのですが、陶酔人としては家康が好きなのではなく、江戸時代の庶民、とりわけ職人が好きなのであまり大河は興味を持っていなかったのです。長丁場のドラマですしね。
それでも初回ですのでチラ見したところ番組の末尾のミニ情報が面白そうなので、これからは録画して末尾のミニ情報を見ようと思っています。

長々お付き合いありがとうございます。




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