664:「遠州の民藝展」を見てきました

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先日(6月26日(日))のことになりますが、浜松市美術館で開催された「遠州の民藝展」を見てきました。
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上のパンフレットの表裏を見る限り、濱田庄司、富本健吉、木喰上人、芹沢銈介の作品が並び、あまり遠州地方の民藝作品が並んでいるとは思えなかったですし、上記の方々の作品は何度も見てきているのでまあいいかなと思っていたのですが、
ざざんざ織の平松実さんの着物が展示されるようなので見に行きました。
平松実さんが浜松での民藝運動に携わっていたことは、実弟の中村精氏の「開発(かいほつ)」の中で知ってはいましたし、ネクタイなど小物は持っています。それでも大物の着物は初めて見ることになりました。
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 この写真を含めて以下の写真は図録からの転載です。

なんでそんなに気を入れて書くかといいますと、平松実さんは隣家でして、生前のお姿を見たことがありますし、草木染の原料たる木の葉などを収集している姿が脳裏に残っているからです。
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息子さんの平松哲司さんの着物です。哲司さんとは世代が近いこともあり、少し話をしたことがあります。

   昔を懐かしむということは老境まっだだ中にいるのかとも思う陶酔人

久しぶりに「追記」を書くことにしました。興味を持たれた方は、下の「続きを読む」をクリックしてください。ながながとメモが書いてあります。



以下も図録からの情報ですが、民藝と言えば柳宗悦です。その柳宗悦の民藝運動に共感して、浜松市では、中村精・内田六郎・高林兵衛・平松実らが「日本民藝美術館」を高林兵衛の家に会館して、柳宗悦らが全国から収集した民藝品の常設展示をしました。
それほどに盛り上がったものの、後年柳宗悦と高林兵衛が疎遠になったことから、この「日本民藝美術館」は2年で幕を閉じました。

図録によりますと、柳宗悦と高林兵衛のいきさつが克明に描かれていまして、長年の疑問が解消した感がありました。
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上の表は民藝に携わった人のリストですが、そうそうたるメンバーが名を連ねています。

螺鈿の黒田辰秋氏の名前は知らなくて、今回のことで人間国宝(木竹工)であることも分かりました。
 黒田辰秋の作品


鈴木繁男さんが柳宗悦の唯一の愛弟子とありました。
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鈴木繁男さんは後年、磐田市に築窯して作陶もしていたようです。
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鈴木繁男さんの小皿です。素地:砥部窯と書いてありますので、砥部の素焼き作品に絵付けをしたのではないかと想像しています。

浜松市美術館ではガラス絵の展示が以前から多かったですが、今回内田六郎氏が収集したものだと分かりました。いろいろな展示の際に書かれていたんでしょうが、記憶に残っていなくて、今回合点がいきました。

陶酔人がこういうことに興味を持ったのは、以下の2つのことに端を発します。

その1
随分前(14年ほど前か?)のことになりますが、柳宗悦の「手仕事の日本」(岩波文庫)を読んで感銘を受けました。
「貴方がたはとくとかんがえられたことがおありでしょうか、今も日本が素晴らしい手仕事の国であることを。確に見届けたその事業を広くお知らせするのが、この本の目的であります。」の巻頭の表記です。全国津々浦々の手仕事を丁寧に200点ほども紹介してあったでしょうか。
そのイメージがずっと残っていたのです。

その2
8年ほど前のことになりますが、知己から遠州の織物の先人で「小山みい」なる人物を知らなかと聞かれ、少し調べますと、江戸時代に活躍された女性事業家兼織物師です。

浜松情報BOOKに小山みいの紹介記事が出ていました。
記事によりますと、小山みいは、
「遠州織物の発展に貢献した人物。江戸時代、綿花栽培が盛んな遠州地方では農家の副業として人々がほそぼそと綿織物を作っていた。それを事業化し、一大産業に成長させるきっかけをつくった。彼女は「遠州織物の母」と呼ばれている。」とあります。

その辺のことはブログに記事357にも以前載せました。

小山みいさんのことは、中村精氏の「開発」にも表記があります。


ながながおつきあいありがとうございました。



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