131:「銀の匙」読了(陶酔人)091106

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記事126で紹介した灘中の橋本武先生が国語の教材に使った「銀の匙」を読みました。
子供時代の回想のような描写は「虚弱体質・意気地なし」と自虐する主人公に暗さを感じながらも、一方で瑞々しい感受性に心惹かれました。
 131:「銀の匙」読了(陶酔人)091106
自然描写の細やかさ・四季の移ろいへの多感さを持つ主人公は、「子供は子供でもあんなばかじゃない」と言い放つ気位の高さと、「波の音が悲しいんです」と涙ながらに訴える繊細な感性とが同居していて、なんとも不思議な少年です。描写は「・・南瓜や糸瓜のうす白く粉をふいたような苗が楕円形の二葉をそよがせて・・」「・・燃えたつ雲が・・だんだん赤くなり、紫になり、藍色になり、空の色とひとつになって・・」など微に入り細に入りって感じです。

橋本武先生が教材として採用した理由を想像するに、「人間ひとりひとりの興味は異なり、それぞれにその違った興味を伸ばせばいい」・「教師にできることはその興味を引き出させることだ」ったんではないでしょうか。

作者の中勘助は、老後に静岡県に住んでいたようなんです。
 131:「銀の匙」読了(陶酔人)091106
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%8B%98%E5%8A%A9

で、「中勘助文学記念館」ってものもあって、しかも静岡市にあるんですね。驚きです。
http://www.city.shizuoka.jp/deps/bunkazai/bunkazai_hogo_nakakan_index.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~KW2Y-UESG/hitobito/nakakansuke/nakakansuke.htm

知らないことは多いと今回も感じた陶酔人



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