542:反田恭平リサイタル

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8月10日のことですから、少し前になるのですが、反田恭平のリサイタル(アクトシティ中ホール)に行ってきました。女性陣に人気のピアニストのようで、会場は女性でいっぱいでした。 
 542:反田恭平リサイタル

個人的には知らなかったピアニストなのですが演奏曲がベートーベンのソナタ特集だったこともあり出かけました。

 1:ベートーベン  創作主題による32の変奏曲
 2:ベートーベン  ピアノ・ソナタ 第 8番 悲愴
 3:ベートーベン  ピアノ・ソナタ 第14番 月光
 4:ベートーベン  ピアノ・ソナタ 第23番 熱情

1番目の「創作主題による32の変奏曲」は、ベートーベンの「習作」って感じでしょうか。初めて聞く曲にあまり感動はなかったのですが、演奏者の指慣らしにはよかったかもしれません。
2番目の「悲愴」はフォルテッシモの時とピアニッシモの時でテンポがかなり違っていました。特にピアニッシモのテンポが遅すぎます。楽しみの第二楽章はさらに遅い・・・ピアノリサイタルなんですから自由なんでしょうが、そこまで変えるかなあと思った次第です。

休憩をはさんで「月光」です。先日の記事537でピアノの進化のタイミングで「月光」が書かれたという文章が浮かんできて、いつも以上に「月光」に入り込むことができました。第一楽章のテンポは曲想に合っていて良かった。二楽章・三楽章と徐々に盛り上がっていく。「羊と鋼の森」の文章を思い出しながら聴き入っていました。しっかり拍手をさせてもらいました。
ラストの曲は「熱情」です。「熱情」は緻密かつ雄大な作品で若いころは親しんでいましたが、最近は少し持て余し気味となっていました。反田恭平の演奏はさらに激しい感じでした。

演奏が終わり、拍手はなりやみません。無論アンコールとなります。なにをやるのかなと思っていますと、ショパンらしき曲。演奏後のメモによりますとアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズというらしいのです。
アンコールのラストは子犬のワルツでした。なんということでしょう!ベートーベンを聞きに来たのにショパンで終わるとは・・・
さりながら女性陣の心はばっちり掴んでいたようです。
 542:反田恭平リサイタル
 ↑ 上の写真はCDからの転載です。

ロビーでは反田恭平のCDを売っていました。それがなんと今回のリサイタルと全く同じ4曲でした。
こういうことはJAZZの会場ではよくあります。新しいCDをリリースすると同時に全国ツアーをして、いわばCDのデモ公演の色彩が強い場面に遭遇することが少なからずあるのですが、今回もそれと同じような感じでした。
 542:反田恭平リサイタル
 ↑ 上の写真はHMVチケットからの連載です
偶然CDが手に入りましたのですが、あの演奏と同じCDなのかとおそるおそる聴きますと、まったく違います。ソフトで丁寧な、いわば聞きなれた演奏スタイルでした。それでもなあと何度も何度も聞きなおしてみたのですが、そこに演奏会場の反田恭平はいませんでした。

うれしいような、妙な感じをしながらこのCDを聴いている陶酔人




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