297:ミレイ~オフィーリア~ハムレット 120921

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先般NHKのBSプレミアムの極上美の饗宴で「悲劇の美女 あいまいの謎」と題して、イギリス画家ジョン・エヴァレット・ミレイ屈指の代表作『オフィーリア』が取り上げられていました。
http://www.nhk.or.jp/bijutsu/kyoen/index_201207.html#page01
 297:ミレイ~オフィーリア~ハムレット 120921
 297:ミレイ~オフィーリア~ハムレット 120921 ←左の写真をクリックすると拡大自在です
死する乙女のテーマの絵なのですが、『オフィーリア』の可憐な姿にテーマを忘れて思わす知らず引き込まれます。

ジョン・エヴァレット・ミレイも『オフィーリア』も全然知らなかったのですが、習作から作品への変化具合・『ハムレット』の文言から背景現場の推定など番組の紹介の仕方がうまいのでついつい見入ってしまいました。
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この習作が作品まで変化するミレイの心根を想像してみるのも楽しみの一つです。
 297:ミレイ~オフィーリア~ハムレット 120921
イギリスでは長年『ハムレット』を解読してきた方々いて、その『オフィーリア』の死する場所を近年特定できたことに拍手喝采だったようです。

下の2つのリンクも見るともっと詳しく書かれています。
http://www.salvastyle.com/menu_pre_raphael/millais_ophelia.html

http://blogs.yahoo.co.jp/cooya_98zoo/32990569.html

このように興味を持ったことで、遅まきながらシェークスピアの『ハムレット』を読みました。なかなか読めば読むほど味がでてきそうな文章でしたが、上っ面に一読しました。

絵画から戯曲の面白さに誘われた陶酔人

気が向いたら、下の「続きを読む」をクリックしてください。例によって陶酔人のたわごとが続きます。

もともと小説好きのため詩や戯曲は敬遠してきた。このためシャークスピアとも縁がなかった。中学生ぐらいには「マクベス」「リア王」などを読んだようなかすかな記憶がある。戯曲は話し言葉だけなので心理描写等がないこともあり若いころは興味がわかなかった。
今回読んでみて、心理描写は各自感じたままでいいんだと今になって気付いた。そう気付くと気楽に読めてなかなか面白い文体・筋書きであることもわかった。福田恆存の翻訳が文庫化されたのは昭和42年だったが、昭和42年ながら今読むと(年齢を重ねると?)読みやすい。
読みやすいが、シェークスピアの文章は、諧謔に満ち溢れている(ような?)ので、時代背景・イギリス文化を知らないと面白さは半減以下だろうなあと思いつつ、読み進めた。

『ハムレット』は超有名な作品なのだが、初めて読んでいるということに気づいた。「生か死かそれが問題だ」といったフレーズは、何10回と見たり聞いたりしているが、文章として読んだのは初めてだった。そしてそのフレーズは、戯曲全体から見れば、さほどインパクトのあるフレーズではなかった。

叔父の陰謀を推論してもんもんとしながらも自虐的になる王子の葛藤を中心に描かれていて、外に向かっては悪口雑言の放ち放題しながらも、内面ではかたき討ちをしない自分を責め続ける・・・そうした「いじいじ」した流れの中で末尾で急転直下の展開となる。
シェークスピアが生きた1600年ごろは、日本では戦国から江戸時代に変わっていく時代。そんな時代に破天荒な筋書きの戯曲を書いていたことに驚いた。

オフィーリアはどちらかというとヒロインというより脇役だった。そのヒロインにスポットを当てたのがミレイだったということになる。戯曲では脇役でも絵画では主役となり輝いている。こうした解釈が自由にできるのも戯曲ならではなんだと思う。

以上たわごとを読んでいただいたことを感謝します。

「有名な作品」というものは、必ず人を打つものがあると痛感する陶酔人



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