163:水木しげる その2(陶酔人)100524

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「のんのんばあとオレ」に引続き水木しげるの自伝の「ねぼけ人生」を読みました。
 163:水木しげる その2(陶酔人)100524ちくま文庫
250ページの文章(挿絵無し)ですが実に「読みやすい」。遅独なんですが二日で読了しました。

競争することに興味が無い氏は、典型的な落ちこぼれと自称しながら気持ちは落ち込むことなく人生を前向きに過ごしてきたようです。玉砕したラバウルで爆弾で腕をなくしたり、餓死寸前だったり、戦後毎日16時間漫画書いていても極貧だった・・・麻酔無しの手術やら機銃掃射で追われたことやら、原稿を出す直前の数日の絶食・・・それをリアルに書いていながら、どことなくユーモアがある。空腹・貧乏であっても心は前向きなせいのようでした。

戦地ラバウルの現地人との交流の表記は多く、可能ならば現地人となりたかったようでした。幼年期からの好きなことに夢中になる性格からか、現地人の「1日3時間働いて食べて踊って寝る暮らし」に戦後そのまま残るつもりだったようです。現地人に対する好ましい表記に、あこがれの世界・理想郷が実現していると思っていたようです。家族の反対もあって実現しなかったようですが、戦後26年経って現地を2回も再訪するくらいですから、そうとうなものです。

ひょんなことから大家となったおんぼろアパート「水木荘」には奇妙奇天烈住民が住み、後年の氏の登場人物のような人たちばかりだったようです。どろぼう・ギャングまでいたようです。手塚治虫の「トキワ荘」とは全然違いますね!

売れっ子になってからの表記は少ないのですが、アシスタントに大御所「つげ義春」や「池上遼一」なんかがいたり、「釣り吉三平」の「矢口高雄」もいたんですねえ。驚きです。

さらに驚くことに新潮文庫に「ほんまにオレはアホやろか」という本があり、殆ど同じ内容なんです。こちらは242頁で挿絵付きです。少しはっしょってあります。出版時期・出版社が違うようですが、どういうことなんでしょうねえ・・・?
 163:水木しげる その2(陶酔人)100524新潮文庫

水木しげるは漫画の登場人物と同様な奇天烈な人生を送っていると思った陶酔人



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