143:まど・みちお全詩集(陶酔人)100111

カテゴリー │本・歴史・人物・・

NHKの特集で、100歳の詩人「まど・みちお」さんの映像をみました。NHKの映像の題名は「ふしぎがり」でした。
 http://www.nhk.or.jp/special/onair/100103.html
「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」などの作詞で超有名のようなのですが、うっかりと全然気づかずに過ごしてきて、先日心洗われる映像を見てすっかり信奉者になりました。さっそく、図書館から「まど・みちお全詩集」(理論社)を借りて読みました。
 143:まど・みちお全詩集(陶酔人)100111
ひとつひとつの詩は、まど・みちおさんの純な心で書かれていて、特に生き物・自然への感情移入した詩心が実にみずみずしく読み手に迫ってきます。

「やぎさん ゆうびん」はどうやら「ヤギサン ユウビン」という前作があるようでして、どうしても紹介したいので引用させてもらいます。「ヤギサン ユウビン」は、「やぎさん ゆうびん」の前振りかも・・・

     オオヤギ カラ キタ オテガミ ヲ
     コヤギ ハ メエメエ タベテ カラ

     「ゴハン ジャナクテ オテガミ モ
     クダサリャ イイノニ カアサン ハ」

     コヤギ カラ キタ オテガミ ヲ
     オオヤギ メエメエ タベテ カラ

     「ゴハン ジャナクテ オテガミ モ
     クレレバ イイノニ ウチノコ ハ」

「にじ」では、色に音を感じている・・・

     いろが
     みんなで
     おんがく している

     ああ きれい

     てんの
     こころの
     うた みたい

「カが 一ぴき」では、風呂のタイル壁に止まったのを不思議がってしきりに観察している・・・

     ゆぶねを出て からだを洗っていると
     カが 一ぴき
     ぼくの顔しすれすれにとんでいって
     そこにとまった
     つるつる すべすべの タイルの壁に

     あれ?
     おっこちない!

     タイルは ほんとうは
     ざらざら がさがさの でこぼこなのか
     それがカには分かっているのか
     ぼくには分からないのに!

     ああ そのでこぼこの中の
     一ばんいかすでこ頭につかまって
     カはいま聞いているのかもしれない!

     ぼくには聞えないすばらしいコーラスを
     ぼくの体からたちのぼる
     百千万のゆげのつぶつぶたちの!

「どんぐり」では、どんぐりと波紋の擬人化にしびれます!映像でも紹介されていた(?)。

     どんぐりが水におちたとき
     そのどんぐりの 中からのように
     波のわたちが生まれでて
     四方にむけて
     いっさんに かけていった

     そして つぎつぎに岸にたどりつき
     次々に きえたが
     きえるまえの 一しゅんに
     ふりかえらない わは なかった
     はるかな 一てん どんぐりを・・・

     とつぜん ふるさとにされて
     どんぐりは
     たよりなさそうに はずかしそうに
     でも けんめいに
     そこにそうして うかんでいた

     もしかして かけもどってくる わが
     ありはしないかと・・・

もし興味がありましたら「続きを読む」をクリックしてください。

散文詩「魚を食べる」では、まど・みちおさんの真骨頂が書かれています。まど・みちおさんは、魚を食べるのにも感情移入をしています。食材を「顔見知り」と呼び、食事の際に「コンニチワ」と言っています。魚を前に自分を「モンスター」と自虐ています。

終戦直前北原白秋を悼み・出征に昂ぶり、戦争協力詩を2編書いたようです。そして、83歳の時に50年前の23歳の時の戦争協力詩を書いたことを自虐しているのです。まど・みちおさんが戦争協力詩を書いたことも意外でしたが、49年間忘れていて、偶然自分の詩に出会い(再会し?)、そのことを悔恨とともにあえて全詩集に載せて白日にさらしています。
彼の直なる心の真骨頂でしょうか・・・

まど・みちおさんを知って感激している陶酔人



同じカテゴリー(本・歴史・人物・・)の記事

 
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
143:まど・みちお全詩集(陶酔人)100111
    コメント(0)