848:ギャラリー・フェイク(細野不二彦)
漫画家細野不二彦の「
ギャラリーフェイク」(小学館)第一巻を
読んでしまいました。
借りた本なのですがにいきなり引き込まれてしまいました。この本は全32巻で一度完結して以後続巻が発刊されているようです。
読んでしまったと書いたのは、残りの冊数を考えると
期待と不安が交錯したことによる表現です。
細野不二彦という漫画家は「さすがの猿飛」か「どっきりドクター」あたりを読んでいたのではないかと思うのですが内容は殆ど忘れています。ただ作家名だけは鮮明に覚えています。
題名から想像されるように絵画を題材にしていることが多い他、版画・陶芸・・・など多岐にわたり調べて書いているなあと感心しきりです。しかも漫画的要素満載の劇的展開に終始してます。結果一冊読むのに時間がかかっています。じっくり楽しんでいるって感じでもあります。
北斎を信奉している陶酔人にとって、P79で北斎を「ダビンチ・ピカソ」と並べている点や北斎の作品を10万点と書いている点などは少し誇張し過ぎかなと思いましたが、うれしく楽しく読みました。
版画の木目のことを書いている場面では、鮮明な木目が見えた時のうれしい記憶がよみがえります。版画は生き物・生ものの感じです。
P110での「・・つい昨日乾いたような発色・・」の場面は、伊藤若冲「動植綵絵」が紹介されたときのみずみずしさを思い出さずにはいられません。
下の「続きを読む」では陶酔人の忘備録が続きます。
ブログを書いたことで区切りをつけ第二巻を読むつもりの陶酔人
漫画なので少なからず想像を膨らませているのは分かっていても、多少気になる点を列記しておきます。
P24のおじいさんが画廊に来るのが少し不自然
P31ゴッホひまわり連作7点と書いてあります。ほかの資料にも同様のことが書かれています。となると随分昔のことになりますが、アムステルダムのゴッホ美術館でひまわりの絵を10以上も見たのはなんだったんだろう・・・
陶酔人が見たものは「習作」なのかもしれないと考えざるを得ません。
P50柴庵(しばのいおり)は「伊賀の破袋」にヒントをもらったか?
P61信楽の登窯で杉を燃していると書いてあるが、杉ではすぐに燃えてしまうのではなかろうかといった疑問。もし杉なら大変な量のはずだがどうか・・・
P71初摺り、後摺りの表記の裏をとろうと思ったが、見つからなかった。
P78北斎10万点は3万点ほどではなかったか?
P86などで、食品売り場で版画を展示しているのは少しやりすぎではなかろうか
P86の魚の絵は北斎漫画ではなかろうか?
P105榊原南山・P109藤田東胡はどなたのデフォルメか?
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