846:有吉佐和子の「青い壺」読了
有吉佐和子の「青い壺」(文春文庫)を読了しました。
とある陶工の窯で生まれた青磁の壺が人から人へと伝わっていく中でそれぞれの人生が刻まれます。
昭和52年の出版ですので、48年前の出版の本ですが、復刊された文庫本の帯にはNHKの「100分で名著」で放送が決定したなどと書かれます。(ただし、放送は現時点で終了しています)そのことも影響してか、復刊した本書が50万分も売れたそうです。その仕掛け人のことなどは下記の文春オンラインでも見られます。
人の記憶は時と共に薄れます。そこで記録が大事ってことですね。本はその記録の代表格なので、本はどんどん溜まっていきます。溜まっていきますが、さほどスペースをとらないので増えるばかります。
NHKの放送は昨年末に終了したので、再放送はしばし後になることでしょう。楽しみは先にって感じでしょうか。
砧青磁、龍泉窯などの表記もあり、陶芸をやるものにとってもなかなか心憎い文章が続きます。
最終章を読み進めていると、「ある事件」のことを連想せずにはいられません。年代を考慮すると有吉佐和子が「ある事件」のことを知っていると思えます。ただそれをストレートに書くのではなく青磁の壺に託して事件を昇華して書いているのではないかと勝手推量しています。勝手想像するのも読書の醍醐味です。
100分で名著ー有吉佐和子(NHK)
NHKWEBの関連記事
文春オンライン記事
有吉佐和子wiki
久しぶりに読書を楽しんだ陶酔人
関連記事