412:尾辻克彦「父が消えた」 150201

陶酔人

2015年02月01日 09:03

記事411で紹介した尾辻克彦(赤瀬川原平)の芥川賞の「父が消えた」を読みました。
  
  河出文庫

父親を葬る側の心象をちょっと違った視点で散りばめた文章は面白く、目線・視点は興味が尽きませんでした。

ただ、を面白く読めはしたのですが、これが芥川賞かと思いつつ読み続けました。
芥川賞は「削ぎ落とされた文体」のイメーッジがあるのですが、本作品は「てんこ盛りの文体」でした。思いが多すぎてそれを表現せずにはいられないという印象でした。純文学というより、情報量の多さの面から、松本清張や司馬遼太郎を連想しながら読み続けました。

今後は、純文学作家尾辻克彦より、赤瀬川原平としての作品を中心に読もうと思っています。

久しぶりに小説を読んだ陶酔人

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