112:幕の内弁当の美学(陶酔人)090823
「幕の内弁当の美学(朝日文庫)」を紹介します。著者は栄久庵憲司さんです。インダストリアルデザインの第一人者のようです。
幕の内弁当を通して日本人の文化を熱く語っています。
四角い箱はあくまでおとなしく存在していて、フタを取った瞬間にまばゆい花が飛び交い、花であるそれぞれの品が主張しすぎず、お互いを補佐しあっている関係・・これらが、日本文化を象徴しているんだ。おのおのの存在を認めながら、お互いを相互補完する絶妙さこそが日本文化のオリジナリティだと言っています。(と読めました。)
内容は、多岐に渡り、職人のこだわりを語る一方で、文化論・都市論にまで発展して、その思いはあくまで熱く、思い入れが行間と言わずあちこちにあふれています。その思いが読者に迫る分だけ、文章が時折飛びすぎたり断定しすぎたりする面をも包み込むだけの魅力がある本でした。こういった文章を「玉石混交」って言うんでしょうねえ。
この写真はこちらからお借りしました。
http://wp1.fuchu.jp/~sei-dou/jinmeiroku/ekuan-kenji/ekuan-kenji.htm
陶酔人
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