797:第55回東海伝統工芸展

カテゴリー │陶芸

記事751で予告した第55回東海伝統工芸展(愛知県美術館8Fギャラリー)に行ってきました。

以下の写真は基本図録からの転載です。
 
今回の陶酔人の一押しは名古屋市長賞の古田一さんの蒔絵合子「蝙蝠」です。
図録には上蓋の写真が紹介されています。上蓋の「月下美人」と「蝙蝠」の作品名との関係が分からず眺めていたら、ラッキーなことにちょうど古田一さんがおられまして、作品の上蓋を開いて中を見せていただきました。上蓋の内側には
 
 
びっしりと蝙蝠が乱舞しています。上と下の写真だけは陶酔人の写真です。
 
本体内側にも蝙蝠が描かれています。
図録では明らかになりませんが、「開けてびっくり」ですね。すっかりファンになりました。

 
愛知県知事賞の小形こず恵さんの「染付鉢「酔芙蓉」」です。造形と染付の調和に毎年しびれています。

 
岐阜県知事賞の伊藤雄志さんの「練込大鉢」です。なんとも大胆な構図ですね。

 
今年の陶酔人の「彩華釉鉢」です。課題が多い作品になりましたが、なんとか入選できました。

4月29日(月)まで愛知県美術館(名古屋市東区東桜一丁目13番2号)ギャラリー8階G室で開催されています。
 
   課題を克服するべく次の仕込みに入っている陶酔人





 

796:フラワーパークの桜

カテゴリー │自然探訪・旅行・行楽

4月7日の記事796に引き続きまして、桜情報です。
一昨日の風で桜は飛び散ってしまったようですが、花博のチケットがあり4月11日にフラワーパークで桜を見てきました。
ソメイヨシノはほぼ散っていましたが、思いのほか八重桜があちこちで咲き誇っていました。

 

フラワーパークでのテーマはチューリップとのコラボのようでした。
 
チューリップはそろそろ終わりの感じでしたがそれでも手入れが素晴らしく桜との色の対比が見事でした。
 

 
「紅枝垂れ」という品種の枝垂れ桜とチューリップがいい風情でした。
 

 
 
 ↑上の写真をクリックすると拡大します。
この八重桜は「市原虎の尾」という品種だそうです。なかなかのネーミングですね。

他にも「普賢象」「有明」などいろいろな八重桜が咲き誇っていました。
桜は「ソメイヨシノ」の散り際が好きなのですが、散ってしまった後は「八重桜が楽しめる」ことを初めて体験しました。

ボタニカの枝垂れ桜の紹介記事

   何事も足を運ばないことには始まらないと思った陶酔人






 

795:太田川桜堤の”千本桜”

カテゴリー │探訪・旅行・行楽

記事794で本興寺の桜が見られなかったこともあり、
太田川桜堤の”千本桜”を見てきました。
ネットでは見ていたのですが、半信半疑で出かけました。
 
 


駐車場から少し歩くと太田川の堤に桜が延々と続きます。
 


桜並木の北端には上の看板がありました。少々古いので読みにくいのですが2Kmの堤に1000本ほどの桜が植えられていると書いてあります。数えたわけではありませんが確かに1000本ほどはあると思いました。写真を撮る際には人が途切れた瞬間を狙いました。
堤は常には自動車も通れるようですが、昨日(4月6日)・本日(4月7日)の二日間は車通行止めとなっていました。

下のトラベルJpのリンクには詳細の紹介写真が載っています
トラベルJpの太田川桜堤の紹介ページ

静岡県の太田川桜堤の紹介ページ


    袋井の千本桜に結構酔いしれた陶酔人





 

794:本興寺(湖西市)での窯変天目

カテゴリー │陶芸探訪・旅行・行楽

中日新聞の紹介記事に誘われて本興寺大平修さん窯変天目茶碗でお茶をいただきました。
 
大平修さんは国宝の窯変天目茶碗に心を奪われ20年の歳月を経てその復元に取り組んできたようです。

 
本興寺ではその窯変天目茶碗でのお花見茶会が開かれました。先着100名という新聞記事に誘われて皆さん集まっていました。

本興寺は桜の名所でも有名ですが、残念ながら3月31日時点では咲いていませんでした。
 
かろうじて一本咲いていた桜です。

 
 この写真はハマラボ(浜松研究所)からの転載です

上記リンクでは、本興寺の全体像(寺・庭・書院が網羅されています。書院には谷文晁の絵・源氏物語の書写の展示・小堀遠州の庭もあり必見です。

樹齢600年とも推定される二本杉の奥に佇む藁ぶきの本堂の雰囲気が素敵ですね。

以下に中日新聞に載った記事を添付します。
 
 
 上の写真は中日新聞 大平修さんの窯変天目の紹介記事(240106)です

 
 
 上の写真は中日新聞 大平修さんの窯変天目の紹介記事(240328)です

 
 
 上の写真は中日新聞 大平修さんの窯変天目の紹介記事(240403)です

以下は本興寺のHPです。
本興寺(湖西市)HP

日本でも中国でも幾多の方々が窯変天目に挑戦してきたし、挑戦しています。なかでも親子二代で挑戦し続けている長江惣吉さんが著名です。二代にわたる挑戦はテレビでも少なからず取り上げられています。林恭助さんの作品も「炎芸術」に掲載されました。

以下の記事には上のことも含めて窯変天目茶碗の全体像が分かりやすく紹介されています。
 曜変天目茶碗を再現!長江惣吉が作ったレプリカの値段や作り方とは?

このリンクはCherishのHPの一部に載っています。

   日々の精進が大切だとあらためて思う陶酔人





 

793:「天涯の海」(車浮代)

カテゴリー

中日新聞の紹介記事に触発されて、「天涯の海」(車浮代 潮文庫)を読みました。
 
表紙を飾る浮世絵は昇亭北寿の「東都佃島之景」です。

舞台は知多半島の半田村(現半田市)の酢屋三代の物語です。酒粕から酢を作ることを発案して、それが美味なることから江戸前鮨を産んだ主要因となったとも書かれています。

この本は「味ぽん」で有名なミツカンの創業期三代(江戸時代後期)の物語です。作家の車浮世さんはミツカンで創業時のことを知り、この物語を発想したようです。

文章は滑らかで起伏に富み一気に読み進められます。
主役の三代の当主もさることながら、この本ではその妻たちにも焦点が当たっています。

ミツカンの歴史

    次へ次へと読み進んだ陶酔人





 

792:「舟を編む」読了

カテゴリー │本・歴史・人物・・

「舟を編む」(光文社文庫)を読了しました。2012年本屋大賞を受賞した作品の文庫版です。
 

元来ヒット作品を避ける傾向の陶酔人ですが、「映画」「テレビ放送」の情報が目に入りついつい読んでしまいました。まずは「舟を編む」という題名がしゃれているではありませんか。辞書の編纂がテーマであることは脇情報で知っていましたが、読み始めて、即心を奪われました。

物語の進捗を補うように辞書を作ることの全体像がつまびらかにされていきます。作者三浦しおんは辞書編纂者ではなかったかと思うほどの入れ込みかたです。「採用語の取捨選択」「説明文のまとめ方」等は無論ながら「紙の選択」「抄紙機」などの製本過程の表記も詳しいのです。

辞書作りに15年の歳月をかけたの表記には多分実際の辞書も同様だろうと思われ圧倒されます。

以下ランダムに感想を記します。

仏典を中国語化した玄奘三蔵、青の洞門を掘った禅海和尚を例にとり、「・・どんなに少しずつでも進み続ければ、いつかは光が見える・・」との表記にある感慨を思い浮かべます。

「・・・死者とのつながり、まだ生まれ来ぬものたちとつながるために、ひとは言葉を生み出した・・・」の表記にも心打たれます。

辞書監修者の廊下や階段は「・・ひと一人がようやく通れる程のスペースしか残されていなかった・・・」の表記には親近感を持ちます。

「舟を編む」の舟は言葉を選ぶノアの箱舟でしょうか。

先輩からいただいた昭和40年印刷の岩波書店の広辞苑を持ち出しますと「広辞苑」の背表紙には「新村出編 広辞苑」と銀色のタイトルが刻印されていました。
この広辞苑は二千三百五十九頁(当時)でして、二千九百数十頁の「舟を編む」は広辞苑を意識しているのは当然のことでしょう。

文庫本の特典として「馬締の恋文 全文公開」が巻末に載っています。
恋文に挿入されている漢詩は難解で下段に注釈が載っていても判読できません。判読できなくても楽しめます。

  次々に次ぐを読めと積ん読の本に声をかけられている陶酔人





 

791:第55回東海伝統工芸展に入選しました

カテゴリー │陶芸

第55東海伝統工芸展に入選しました。例によって、ぎりぎりの応募ですので応募作品の写真はありません。
2年ほど壺での応募でしたが、今年は大皿での応募です。
 
 
上は、招待はがきの表・裏です。
 
開催スケジュール
   4/23火)~4/29(月)
会場
   愛知県美術館 ギャラリー8階G室

 上のリンクをクリックすると会場の地図が見られます。(名古屋市東区東桜1丁目13ー2)

ついでがありましたらお寄りください。

陶酔人は4月25日(木)10:00~12:00会場にいる予定です。

「東海伝統工芸展の普及」のために今年も「展示作品の写真を撮ることが可能(否の場合はその旨の表記アリ)」です。

  来月からは夏の全日本への応募に向けての仕込みを始める予定の陶酔人






 

790:棟方志功「板散華」を読みました

カテゴリー │美術

記事781 、 記事785  に続いて棟方志功 その3です。

「わだばゴッホになる」を読んでいると、文中に処女出版の「板散華」なる表記があったうえに、巻末には「板散華」の抜粋が添付されていました。その巻末の「板散華」の文体が「わだばゴッホになる」と全く違うのが気になりました。「わだば・・・」が語り言葉で親しみやすい、棟方志功のイメージそのままであるのに対して、「板散華」は丁寧語で書かれていてだいぶんとイメージが違っていて気になったのです。

巻末の「板散華」抜粋は旧仮名遣いを改めたとかいてあることもあり、旧仮名遣いでは印象が違うものかと探しましたが、図書館に在庫がなく、文庫本が絶版となっている感じなので、古本で探しました。
 
昭和54年の出版であるにも関わらず超美本でした。

 
巻頭には、出版年に彫られて摺られた「愛染修羅身・御炎噴」(和紙)が綴じられています。そこには昭和17年作と書かれています。
「板散華」は昭和17年に出版され、47年の時を経て昭和54年に復刻されたのです。その昭和54年の復刻本をさらに45年の時を経て陶酔人が読んでいるのです。時に流れを感じずにはいられません。
 
 
 上の写真をクリックすると拡大自在です。
目次の一部分です。
巻頭に河井寛次郎の「棟方君」という賛辞が載っています。河井寛次郎の棟方志功への傾倒ぶりがあふれています。

いよいよ棟方志功の文章が始まりますが、出だしは「河井寛次郎先生」と題するもので、これはまるで恋文のような文章でして、追悼文ではないかと思うほどの入れ込んだ文章でした。ですが、昭和17年には当然存命(昭和41年逝去)すので、お互い相思相愛の仲って感じだったんでしょう!

以下の文章は版画(棟方志功による板画)に対する気構えが書かれています。なかでも版木への思い入れがひしひしと伝わります。版画は下絵・彫り・摺りの技法に頼ってはいけないという主張にも棟方志功らしさが伝わります。

以下宋時代の版画「宋槧三世相(宋本三世相)」への感動・江戸時代の鳥居清長
から鈴木清親までの概観などが収められています。
この辺はまさに版画家ならではと思われる表記ですし、旧仮名遣いでもあることから陶酔人の力では判読が不十分なんですが、それとなく分かったような気分に浸れます。

巻末の本のバックデータが面白いので添付します。
 
 
 上の写真をクリックすると拡大自在です。

そこには「1000部の限定復刻」と書かれています。手に入れた中古本は260号です。版画の摺りみたいな扱いですね。
しかも、定価8,000円と書いてあります。昭和54年当時の8,000円です。この本が安価で手に入ったのですが結果的にお宝となりました。

  陶芸を忘れているのではないかとご指摘を受けそうな陶酔人





 

789:京都その3:廬山時・清凉寺・渉成園

カテゴリー │探訪・旅行・行楽

今回の京都見学では、一日バスツアー「紫式部と源氏物語ゆかりの地をたずねて」に参加して、その翌日に河井寛次郎記念館・伏見稲荷大社に出かけたのです。

まずは、廬山寺です。紫式部の居宅だったようで、あちこちにその痕跡がありました。
 
 
この写真をクリックすると拡大します。 この写真は廬山寺のHPからの転載です。

有名な紫式部の短歌「めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月影」と書いてあるようなんですが判読できません。ですが、なんとなく分かった気になる、その場所に降り立ったという経験も醍醐味の一つです。

 
廬山時の庭です。紫式部もこの庭を見ながら源氏物語の構想を練ったことでしょうか。

廬山寺wiki

続きまして、

 
 この清凉寺仁王門の写真は清凉寺のHPからの転載です

二番目は清凉寺です。本尊は国宝の釈迦如来立像です。観光バスの特権なるか、特別に開帳をしてくれました。
また霊宝館という宝物館では光源氏のモデル・源融(みなもとのとおる)が作らせたともいわれる国宝・阿弥陀三尊座像も開帳してくれました。
いずれも写真を撮ることはできませんし、転載もはばかられますので、清凉寺HP清凉寺wikiや以下のブログなどを参照していただけたらと思います。

ブログ:見仏入門27 京都 清凉寺

ブログ:釈迦如来立像 ~清凉寺に伝わる生身のお釈迦さま

バスツアー最後の訪問地は渉成園(源融ゆかりの庭園です。
 
当時はこの遠景に東山の山々が借景として見えていたようですが、現代ではビルが借景となっています。残念。
 
 この写真を含め以下の三枚は渉成園パンフからの転載です。
 

池の端には源融(光源氏のモデル)の供養塔がありました。
 
 

パンフによりますと、東本願寺の飛び地に書院・能舞台・池・茶室を造営したようです。当時の権威を感じざるを得ません。
 
池の水がなんともきれだと思ったので、さらパンフを読みますと、東本願寺が琵琶湖疎水を導水してそれをさらに渉成園に導水をしたんだそうです。これも権威なるかなって感じです。

渉成園wiki

  個人で出かけてもなかなか見られないものを見られる観光ツアーは
   不便な面もあるのですが、面白くも思った陶酔人