753:からくり人形師「九代目玉屋庄兵衛」

陶酔人

2025年05月07日 18:59

第56回東海伝統工芸展を見に行った際に犬山まで足をのばして、国宝の犬山城・同じく国宝の茶室如庵・犬山の街並み・を見学した折に偶然からくりミュージアム・玉屋庄兵衛工房に出くわしまして、有頂天でした。
偶然は重なるものでして、ちょうどからくり人形の実演時間どんぴしゃりのタイミングでした。しかもあろうことか、茶運び人形がお茶を運んでくれました。
 
こんなチャンスはまずないのでしびれました。

展示物としては、紐で操作する山車のからくり人形、人形の構造図・部品・材料の展示もありました。なかでも江戸時代のからくり設計図の「機巧図彙」・人形のゼンマイの材料の「クジラのひげ」には感嘆しきりでした。「クジラのひげがゼンマイになる」・・・なんというか先人の知恵は無尽蔵なんですね!
 
これがクジラのひげだなんて!今は樹脂で代用しているようです。

一角に玉屋庄兵衛の工房がありまして、なんと九代目玉屋庄兵衛が人形を彫っていました。さすがに声は掛けられなかったのですが、黙々と人形の顔を彫っていました。
 
基本名古屋が本拠地なのですが、金・土曜日だけ当工房に来ているようです。なんとラッキーなことだったでしょう!

入口付近で「からくり人形師 玉屋庄兵衛伝~初代から九代目まで」(千田靖子・中日出版社)がありまして早速ゲットしました。ここには江戸時代から現代にいたるまでの玉屋庄兵衛の歴代のことが書かれています。またまたお宝が増えました。

本によりますと、からくり人形は中部地方を中心にいっぱいあるのですが、からくり人形師はいまや「玉屋庄兵衛」しかいないようなんです。ため息しかでません。

ネットで調べていると、「指南車」というからくりの存在を知りました。いずれ書く機会もあると思います。

指南車wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E5%8D%97%E8%BB%8A

指南車(石田正治)
http://47nsha.web.fc2.com/

からくり指南車工房の指南車web
http://47nsha.web.fc2.com/

  こういうことがあるから、出かけなくちゃあと思いを新たにする陶酔人

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