560:芹沢銈介礼賛 その1

陶酔人

2019年02月18日 20:47

以前録画してあった芹沢銈介の映像を見まして、だいぶんと感化されました。彼は染色工芸家の人間国宝ですがマルチタレントといいますか、多作であって緻密、しかも意匠がすばらしいので、そこで図書館で少し調べました。

その1としては「芹沢銈介作品集四」(求龍堂)からの転載です。
 
伊曾保物語絵巻の布染の16枚からですが、お分かりのように、「イソップ寓話」の題材を芹沢銈介の切り口でデザインして布に染めたものです。これは、「かにのおやこ」です。「横這ひに歩む子を責めたかにの母おのれも直ぐには行けなんだ」と読めますか?

 
次は「牛と心棒」です。「重いものを黙ってひく牛わけもなくきしるしんぼうたしなめた」。なかなか含蓄がありますね。

イソップ寓話なぞ歳をとると読む機会はないのですが、芹沢銈介が加工するとたちまち美術品になるんですね。

 
こちらは「型絵紙染暦」から「さるかにがっせん」がテーマの1974年10月のカレンダーです。

 
 
この二つは「益子日帰り」(紙型染筆彩)からのもので、益子に日帰りででかけた際に「職人が粘土を練り、成形して、乾燥をしている様が説明文も含めて型紙に彫って作られている」んですね。ため息がでます。

静岡市の登呂遺跡の隣に「静岡市立芹沢銈介美術館」がありまして、30年ほども前に見たのですがぼんやりんと見ただけでもう一度じっくり見なくてはと決心する陶酔人


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