850:「ぶらり謎解き 浮世絵散歩」
NHK大河「
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」が16回まで進みました。今回に限らずかなりマニアックな展開が続きますが、ひたすら浮世絵にまつわる話に期待しつつ見ています。
そんな中で、牧野健太郎作の「
ぶらり謎解き 浮世絵散歩」(エクスナレッジ)を読みました。広重の「名所江戸百景」「東海道五十三次」を中心に北斎・国芳など30枚の浮世絵が紹介されていますが、各浮世絵のディテールが実に事細かに説明してあって浮世絵趣味の陶酔人には垂涎の本でした。
この表紙は広重と北斎を合体した図案なんですが、思わずページを開きたくなる装丁です。
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P11には当時の出版元の地図が紹介されています。鶴鱗堂・雛形屋孫兵衛、永寿堂・西村屋与八、そして蔦重の耕書堂があるではありませんか!
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P13には耕書堂の賑わいが描かれています。二代目の時代の様子のようです。
P67には広重の「名所江戸百景 猿わか町 よる之景」で月あかりの夜の街が紹介されています。あのゴッホが特に憧れていたとも記されています。
北斎の「諸国廻り 木曽路ノ奥 阿弥陀ノ瀧」です。北斎のデザイン力に圧倒されますね!
これは
諸人登山wikiからの転載です
北斎の
富嶽三十六景のなかで唯一富士山が見られない図です。何度も富嶽三十六景は見てきたはずなんですが、初めてお目にかかってうれしがっています。
なんで富士山が見られないのか?
雲の中に隠れているなどと想像してましたが、解説を読みますと納得です。
この構図は富士山の頂上付近で修業・富士信仰の登山ということもあり頂上で疲れ立てている様を描いているんだそうです。
登頂者の配置が北斗七星にも見える、コマ送りポーズが見られる・・・などと興味深い解説も続きます。
この本にはこのような表記が目白押しです。おすすめ本です。
諸人登山(北斎)wiki
自分の興味をついつい押し付けたくなる陶酔人
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