684:雪の殿様 土井利位

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偶然、「江戸時代の殿さまが雪の結晶を観察していた」という情報を得て、少し調べました。
 684:雪の殿様 土井利位
 684:雪の殿様 土井利位
 ↑ 上の写真をクリックすると拡大します

上の写真は殿様の出版した雪の図の和綴じ八枚目のものです。文政11年、13年の表記があり、江戸時代後期のことと分かります。

殿様は土井利位といい、古賀藩の城主で、老中をも務めた人です。土井利位は城主ながら雪の結晶を当時輸入された顕微鏡で調べて、「雪華図説」(天保三年)・「続雪華図説」(天保十一年)を自家出版したのだそうです。
684:雪の殿様 土井利位
これがその表紙です。味わいがありますね。脇の愛日軒は出版元のようです。

その辺のことを解説した小林禎作の「雪華図説 正+続[復刻版]と雪華図説新考」(築地書館)を手に入れました。無論古本です。
 684:雪の殿様 土井利位

今回の転載写真はすべてこの本からのものです。

小林偵作の表記に「・・これらの本は殿様の自家出版で一般への売品ではなかったと想像される・・・」
「・・・正編中の結晶図三十五種は天保六年に、鈴木牧之が江戸で刊行した『北越雪譜』に引用された・・・」こともあり、「・・・江戸市中で大変な評判となった・・・」とありました。
子供のころ初めて顕微鏡を手にした時に雪の結晶を見ようとしましたが、すぐに溶けてしまい、見る方法を調べることすら分からなかったこともあり残念な思いをしましたが、小林偵作は殿様は家老の鷹見泉石の協力もあったのではないかと推定しています。また、雪は-10℃以下で寒いことさえ我慢すれば見られるとも書いてあります。

雪の顕微鏡写真は、1892年にノイマンによって撮影されて、一般的にはアメリカのベントレーの写真「雪の結晶」が1931年に出版され著名のようです。
 684:雪の殿様 土井利位

 上の写真はベントレーの写真です。

天保三年(1832年)、天保十一年(1840年)の土井利位の出版と時期が相前後していますが、土井利位のものは、写真ではなくイメージ図・デザイン図です。当時はまだカメラが開発黎明期なので写真は撮るという概念そのものが無かったのでしょう。

小林禎作の写真も掲載されています。
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時代が新しくなって写真も鮮明になってきています。

本を離れますが、
雪の結晶(NHK for School)
このNHK for Schoolの映像はばっちり雪の結晶が肉眼で分かりいいですね。

以下のリンクを載せておきます。

雪の殿様・土井利位(古河市観光協会)

ベントレーの雪の写真(NATIONAL GEOGRAPHIC)


ベントレーwiki

雪の結晶(日本雪氷学会)

ネットでの雪の結晶写真

雪の結晶と作った男:中谷宇吉郎

  またまた新しいことを知り喜んでいる陶酔人




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